「より良い社会的養護を考える」
- irukayainfo1
- 2024年1月22日
- 読了時間: 4分

1月21日。前の日の夜から冷たい雨がずっと降っていた、寒い日でした。
この日行われたのは「より良い社会的養護を考える」という会です。
社会的養護とは、さまざまな理由で、家庭での生活が難しい時、社会が責任を持ってその生活の安全を守る仕組みです。
この社会的養護を過去に経験した若者お二人に、その時の経験やその後の自立に向けた準備のこと、そして社会的養護の手を離れた今どう過ごしているのか、あの時どんなことをしてもらえたら良かったのか、どんなことに助けられたのか、などなど振り返ってお話をしていただきました。
会場に集まったのは、社会的養護の現場で実際にケアギバーとして頑張っている方、児童福祉の最先端でまさにケースワークに携わっている方、そして社会的養護という言葉を聞いても実際にどのような世界なのか見たことは無い、でも知っておく必要があるかもしれない、と思って参加して下さった方、などさまざまなお立場の方でした。
生憎の天候にも関わらず、何らかの理由で来られなかった方は2名だけ、そしてドタ参くださった方がさらに数名、という具合で、このテーマに関する関心の高さを感じました。
社会的養護の卒業生として語ったお二人はIFCAという組織で人前で語るトレーニングを受けており、その堂々とした語りに、来場された方から驚きと称賛の声が上がっていました。
トレーニングを受けたとはいえ、語るに大変な過去をまとめて、自分の言葉で発声するというのはとても心労が大きいことです。後続の状況改善に向け、そして社会的養護を知る人全ての方の学びになるように、ここに来て語ってくださった姿勢に深く感謝をします。
会場からは、「今どのように自分のライフストーリーを捉えているのか」や「児相や施設にしてほしかったことは?」「地域の方は何ができますか?」「社会に期待することは?」など、積極的に質問が出ており、ひとつひとつに本人たちの言葉で丁寧にご回答をいただきました。
いくつか紹介しますと「保護された子は大変な状況から離れてそれでOKではなく、この先の見通しが見えずとても不安。情報は十分に伝えて欲しい。」「措置を決定する段階でこどもの意見を入れて欲しい」「トラウマの影響について知り、なぜそのような言動をとるのか理解して対応してほしい。」「生い立ちの記録はもっと何十年も取っておいて欲しい。」など、どれをとっても至極当然の権利だと思いたくなることですが、それが出来てこなかった児童福祉の現状を改めて重く受け止めていくべきと思わせられる内容でした。
地域の方に何が出来るか?の問には「色々な家族の形があるということを周りの方にも知ってもらえるよう発信してほしい。見て見ぬふりでなく、状況に気付いてほしい。」や「子どもが夢を実現できるよう、情報を伝え、一緒に考えて応援してくれる大人がたくさんいると良い。」との答えがあり、こどもは社会みんなで育てる、という考え。これをみんなが心に留めておければ、私たち誰もが出来ることはたくさんある、と思わせていただけたように思います。
「このような語りを私たちの所でもしてくれるか?」というリクエストも出るほど、この語り合いをすることで、さらに次の一歩が見えてくるようなとてもエネルギーに溢れた温かい時間となりました。
終了時にはすっかり雨も止み、虹が出そうなお日様の光が会場を照らしていました。

上記に書ききれない活発な対話があり、会場を閉めたあとも少人数で少し若者とのお話を続けさせていただきました。
こうして脳が興奮した日はだいたい寝付けなくなるものです。それも想定内。せっかくなので、お布団の中で、今から私がすべきことは何か?地域にどのようなアプローチが出来る?児相や保護所の職員が入ってすぐ学ぶべきことは?価値ある語りを聴いた者の責任は?などなどぐるぐる・ぐるぐる・・・
今回の対話からさらに深堀出来ることは、関心ある方たちとさらにミニセッションで扱っていきたいと思います。
一緒に考えてくださる方、一緒に動いてくださる方、プロジェクトを遂行するのが好きな方、大募集です!
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